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下痢が止まらない(水下痢)

水下痢や下痢が止まらない方へ

水っぽい便が出ても医療機関を受診することはあまりありません。水下痢が一度だけ出たケースや3日もたたずに治ったケースでは特に心配不要ですが、1週間以上下痢をしているケースや水下痢のせいで普段の生活が送れないケースでは、何かの疾患が原因となっている可能性があります。また、便秘と水下痢が順番に代わる代わる何度も起こる方も医療機関を受診しましょう。水下痢が治まったと考えて放っておいたら過敏性腸症候群が発症していたという方も珍しくありません。水下痢が1週間経過しても改善しない場合、便秘と下痢が交互に何度も起こる場合、吐き気など悩む症状がある場合は当院にお問い合わせください。

下痢を出し切る方法ってあるの?

下痢をすべて出す手段はありません。下痢が起きている場合は頑張って排便するのではなく安静に過ごすのがお勧めです。腹部を温めて穏やかにゆっくりと休んでください。すぐに治したい方は医療機関で検査を行い、原因をはっきりさせましょう。 

水下痢や下痢のメカニズム

どのような状態が下痢なの?

基本的には水分が豊富な便や水っぽい便が下痢だと考えられています。健全な形のある便は約7~8割が水分であり、89割まで増えると泥状便、9割以上では水下痢(水様便)と言われます。

  • 水様便(9割以上)
  • 泥状便(8〜9割)
  • 軟便(8〜9割)
  • 通常便(7〜8割)
  • 硬便(7割以下)

長引く下痢には疾患が隠れているサインかもしれません

何回も下痢が起きる、水下痢や下痢が長引く方は、疾患が隠れている可能性があります。最近若い方が発症しやすい過敏性腸症候群の症状にも水下痢があります。その他、下痢の症状を認める疾患としては、大腸ポリープや潰瘍性大腸炎、感染性腸炎が挙げられます。

感染性腸炎

感染性腸炎とは、O-157やサルモネラ菌、ノロウイルスなどに感染してひどい水下痢を伴う疾患です。水下痢の他に、血便、発熱、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。「とりあえず市販の下痢止めを飲んでおいたら大丈夫」と考える方がいますが、原因ウイルスや細菌を体外に出せなくなり、病状が悪くなる可能性もあるので飲まないでください。

過敏性腸症候群

お腹の不快感や痛みなどが3ヶ月以上継続する病気であり、便秘型、下痢型、便秘と下痢が順番に起こる3つの型に分類されます。特徴として、お腹の張りや便秘、下痢、激しい腹痛などの症状が現れますが、器質的な問題は認められないです。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜に継続して炎症が発生する状態です。現代でも明確な要因は分かっていませんが、遺伝子異常などが関与していると報告されています。特徴として、めまい、体重減少、呼吸苦、動悸、腹痛、血便などの症状が認められ、一度軽快しても再び何回も発症します。

大腸ポリープ

良性腫瘍ではあるものの、長期間治療せずにいるとがんになる危険性があります。ただし、大半の場合は目立った症状はありません。食生活の欧米化が代表的な要因です。また、ポリープの位置次第では血便や下痢などが生じる場合もあります。 

検査

まず問診で、暴飲暴食や食中毒の有無、便の形状やにおい、色を確認します。炎症性疾患が疑われる時は大腸カメラ検査を行い、粘膜を隈なくチェックし、状況次第では組織を採って生検を実施します。当院では鎮静剤を使ってウトウトした状態で大腸カメラ検査を行いますので、恐怖心がある方もご安心ください。

 

治療について

下痢で脱水にならないように状況に応じて点滴などにより水分を補います。疾患によって下痢を発症しているケースでは、まずはその疾患を治します。腰や足を温める、お腹にやさしい消化しやすい食料品を少量ずつ摂取する、水分を積極的に飲むことが大切です。

突然の下痢(急性的な下痢)

脱水症状が現れないように、積極的に水分補給をしましょう。吐いてしまうことによって自分で水分を飲めない時は点滴などを行います。水分を飲む場合は、湯冷まし、麦茶、白湯などがお勧めです。冷たい飲み物ではなく、温かい物や常温の物を飲みましょう。食事の際は、透明な出汁やスープ、すりおろしたリンゴ、お粥やふにゃふにゃのうどんなどを少量ずつ食べましょう。また、周りの人にうつさないように、十分に手洗いをしてください。特に医療従事者や飲食関係者の場合は、下痢などの症状がすべて治まってから48時間以降に仕事に復帰しましょう。

続く下痢(慢性的な下痢)

刺激が強い冷たいものやお酒、香辛料、カフェイン、牛乳は控えてください。消化しやすく栄養のある豆腐や納豆、卵、白身魚、ささみなどを主に食べましょう。うどんやご飯は柔らかくすれば消化が良くなるためお勧めです。